オーストラリアではTRSという税金還付システムを利用すると、旅行者は税金が戻ってきます。
この記事ではTRS申請書の作成方法と、制限エリアのTRSオフィスに現物を持ち込めない液体類(マヌカハニーやワイン)でもTAX REFUNDする方法を掲載しています。
TRSはレシートさえあれば、パソコンやスマホで簡単に税金還付の申請書(QRコード)を作成できます。
オーストラリアのTourist Refund Schemeとは?
オーストラリアを出国する人だけが対象の免税特権。
「店頭で一旦税金分を含めて支払ってもらうけど、出国時に空港で申請したら返してあげる」というシステムです。
商品金額の約10%くらいが戻ってきます。
免税対象者は以下の要件を全て満たした上で申請し、現物とレシートをTRS担当職員へ見せる必要があります。
- 出国日より60日以内に購入した物品
- TRSオフィスで、商品とパスポートとレシートの原本を提示
- 同一店舗(同一ABN)でAUD300以上購入
※オーストラリア滞在中にAUD100+50+150のように複数会計でも、合算額が300ドル以上あれば大丈夫です。
※同じチェーン店でも複数店舗の合算はABNが異なるとNG(WoolworthのようにABNが同一ならOK) - 自己消費用(未使用に限る)
※例えば高級チョコを購入して、開封したり一部でも食べてしまったりした場合はNG(虚偽申告は高額な罰金刑が課されます)
※イソップのコスメを20個とか自己消費を超える商売っぽいのはNG - 1,000ドル以上の商品は、TAX INVOICEに購入者の名前が入っていること
必須要件にはなっていませんが、「オーストラリア非居住者の場合は、自己名義のクレジットカードを所有していること(欧州の免税とは異なり現金での還付はされません)」も事実上の必須要件になっています。
原文はオーストラリア政府の公式ページ(https://www.homeaffairs.gov.au/trav/ente/tour/are-you-a-traveller)で確認できます。
具体的なTRS申請書の作成方法
TRS申請書(TRS applications)は、WEBまたはスマートフォンアプリで申請QRコードとして作成します。
パスポート番号、オーストラリアビジネスナンバー(ABN)と購入額が記されたTAX INVOICE(だいたいレシートを兼ねている)が申請QRコードの作成に必要なものです。
スマートフォンアプリで申請QRコードを作成する方法
申請用のスマートフォンアプリは、オーストラリア政府より無料で提供されています。
iPhoneやiPAD(iOS)用 App Store(https://itunes.apple.com/au/app/tourist-refund-scheme/id910855751)
Andoroid端末用 Google PLAY(https://play.google.com/store/apps/details?id=au.gov.customs.trs)
Webフォームで申請QRコードを作成する方法
※アプリで申請する場合もほぼ同じ画面です。
STEP1 規約同意画面
オーストラリア税関のTRS Claimフォームページ(https://trs.border.gov.au/)へ進みます。
規約の同意ボックスにチェックをいれたらNEXTを押して進みます。
STEP2 旅行詳細入力画面
- Passport Issued Country(パスポート発給国)
- 「Australia」「New Zealand」「Other」の3種類しかないので、日本国の場合は、「Other」を選択します。
- Passport Number(パスポート番号)
- 手元のパスポートと同一番号を入力します。
レシートに購入者の名前が記載されている場合は、本人以外のパスポート番号ではなく、実際に支払ったクレジットカード名義人と同一人物のパスポート番号をいれます。(嫁のカードで購入して、夫の名義で免税申請すると面倒なことになると思います) - Departure Date(オーストラリア出国日)
- オーストラリアの空港を出発する日を入力します。
STEP3 申請内容
申請にあたっての注意事項が記載されています。
・レシートに、「TAX INVOICE」と記載があること。
・レシートに、ABN(オーストラリアビジネス番号)が記載されていること。
・レシートに、商品名と税込み金額が記載されていること。
・レシートに、購入日が記載されていること。
これから申請するレシートに上記4項目が記載されているか確認したら「Add Invoice」ボタンを押して申請書作成画面へ進みます
- ABN(オーストラリアビジネス番号)
- レシートに記載されている、11桁の数字です。
- Invoice/Receipt Number(請求書/レシート番号)
- 任意項目なので記載不要。
- Invoice Date(請求書日付)
- 請求書発行日。つまり、購入日のことです。
- Goods Type(商品種別)
- 絵/美術品、バッグ/財布、iPhone/スマホ、健康食品/ビタミン剤、ワイン等とあるので近いものを選びます。
Other(その他)を選んだ場合は、入力欄が増えるので該当する商品種類を英語でいれましょう。
画面ではHONEY(ハチミツ)と入れていますが、細かく入力せずに健康食品を選んでも良いと思います。 - Amount Paid for Claimable Goods, including GST/WET (税込金額)
- レシートに記載された税込み金額を記入します。
オーストラリアのレシートは基本的に税込み表示なのでそのまま記載してOKです。
必須項目を入力したら、「Save This Invoice」を押します。
別ABNの店のレシートがある場合は「Save & Enter Next Invoice」を押して、2枚目の申請書の作成に入ります。
入力した請求書(レシート内容)の確認画面です。
商品金額が手元のレシートと相違がなければ「NEXT」ボタンを押して次へ進みます。
他に申請するレシートがある場合は「Add Invoice」ボタンを押して追加の請求書を作成します。
STEP4 支払い方法
税金還付方法の選択画面です。
Credit Card(クレジットカード)
Australian Bank Account(オーストラリアの銀行口座へ振込)
Cheque(小切手)
日本人の場合は、面倒がなく手数料が最も安い「Credit Card」を選択すると良いです。
クレジットカード引き落とし口座への還付までは60日程度と記載されています。
申請金額(Invoice Total)と還付方法(Payment Details)を確認して、内容が正しければチェックボックスにチェックをつけます。
「Generate Claim Code」ボタンを押して申請QRコードを作成します。
STEP5 QRコード確認
「Print」ボタンを押すと、プリンターから印刷されます。
プリンターがなかったり、スマートフォンなどで作成した場合は「Save」ボタンを押すと申請QRコードが保存されます。
保存したQRコードはメールでスマホに転送したりしてTRSオフィスで提示できるようにしましょう。
※アプリで作成した場合は、アプリ内にQRコードが保存されているのでこの手順は不要です。
手荷物に出来ない、液体・重量物等のTRS申請方法
オーストラリアのTRSでは購入物を出国審査が過ぎた制限エリア内の税関職員へ見せてレシートにスタンプを押してもらう必要があります。
しかし、マヌカハニーやワインのような液体物は手荷物として制限エリア内に持ち込めません。(液体物を持ち込もうとしても手荷物検査で破棄されます)
そういった場合は、制限エリア外の税関オフィスでTRSの手続きする必要があります。
欧州だとチェックイン後に荷物をもって税関に向かいますが、オーストラリアのTAX REFUNDではチェックイン前に制限区域外のTRSオフィスへ出向きます。
制限区域外のTRSオフィスで、商品とTAX INVOICE(レシート)とパスポートを見せて、スタンプを押してもらいます。
その後、チェックイン手続きを行い制限エリア内のTRSオフィスで改めて還付手続きを行う流れです。
シドニー空港の制限区域外TRSオフィスの場所
チェックイン階にいる場合は、GカウンターとHカウンターの間にある、エレベータを下りてすぐの地上階にオーストラリア税関(Australian BORDER FORCE)オフィスがあります。
税関職員には液体だから制限区域内に持ち込めないという正当な理由を伝えると、航空券(Eチケット)、レシート、パスポートを出すように言われました。
税関職員がレシート(TAX INVOICE)を確認すると、レシートにTRSスタンプを押されます。(画像の赤いスタンプです)
この後に航空会社のカウンターへ向かい、荷物を預けチェックイン手続きを済ませます。
シドニー空港の制限区域内TRSオフィスの場所
右手側にTax refundの看板が掲げられているので、制限区域内TRSオフィスへ進みます。
オフィス内はQRコード保持者と、QRコードを持たない人で申請窓口がそれぞれ用意されています。
事前にQRコードを用意して申請したほうが手続きは早く、QRコード持たない人用の列はオフィスの外まで行列ができていたりします。
制限区域外TRSオフィスで印鑑を押してもらったレシートを出すと、還付手続きが行われます。(1人5分くらい)
注意点として、申請手続きは出発の90分前までに済ますことが推奨されており、出発時刻の30分前になると申請自体を拒否られます。
中国大陸行きの便が多い、爆買い客で混雑する時間帯だと3時間前に空港に行くくらいがオススメです。
以上、シドニー空港でのTRS申請方法でした。
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